タイに長期にわたって旅行に来る方や、駐在、移住しにくる方々にとって心配なことの一つに、タイ特有の病気に感染する可能性が挙げられると思います。実際、日本ではあまり耳にしない病気に感染する可能性があるのは否めません。タイ特有の感染病は何があるのか、そして推奨されているワクチンはどんなものがあるのか、今回のブログでご紹介させていただきます。
タイでかかりやすい感染症
以下は外務省のHPを参照にしております。
1. 旅行者下痢症、寄生虫感染
不衛生な食べ物を接種したことが原因で引き起こされることが多いです。特に冷蔵庫に保管されていなそうな肉類には注意してください。
2. 蚊媒介疾患
・デング熱
・チクングニア熱
・日本脳炎
・ジカ熱
この4種に感染するリスクが高いと言われています。
3. マラリア
ハマダラカを介して感染します。都市部で感染する心配はあまりありませんが、ミャンマーやカンボジアの国境付近では感染対策が必要です。国境地域に行く予定のある方々には予防内服が推奨されています。
4. 腸チフス
チフス菌を口から摂取することで感染します。倦怠感や筋肉痛、頭痛、発熱が症状として見られます。潜伏期間が1週間と長いため、感染経路を特定しにくいのが特徴として挙げられます。衛生管理がされているところでの食事を心がけてください。
5. エイズ・HIV感染症
性行為がきっかけとなり発症する場合が多い感染症です。薬物中毒患者の注射行為から感染する場合もあります。。感染してからエイズが発症するまでに数年間潜伏期間があるため、エイズを発症して初めて感染を知る方も少なくありません。コンドームの着用を徹底し、HIVウイルスの感染を防ぎましょう
6.結核
結核菌が肺の中で増殖することで発症します。日本でも、2022年には1万人以上の感染者が認められています。生後1歳までのBCGワクチンを接種することで重篤化リスクを大幅に減らせます。
7.インフルエンザ
日本でも冬に流行る感染症ですね。タイでも10月から流行し始めます。当院をはじめ、タイの多くの病院でワクチンを接種することが出来ます。
8.狂犬病
狂犬病ウイルスに感染することで発症する感染症です。30-60%の確率で発症し、発症したら99%は死に至る病気です。発症までの期間は人によって様々です。
タイでは、上記の感染症に感染するリスクがあります。それでは、どんな対策をすればいいのでしょうか。タイ渡航の際に推奨されているワクチンをご紹介します。
定期的な接種を推奨
· 水疱瘡(Chicken pox (varicella) )
· ジフテリア・破傷風・百日咳
· インフルエンザ
· おたふくかぜ・はしか・風疹
· 帯状疱疹
· 急性灰白髄炎(ポリオ)
タイの地域特性上、接種を推奨
· A型肝炎
· B型肝炎
· 日本脳炎(特にタイの地方に行かれる場合)
· 狂犬病
· 腸チフス
· マラリア (タイの深南部カンボジア、ミャンマー国境近くに行く方は特に)
タイでの旅行を楽しむために、健康を守るための基本的な予防策を忘れないようにしましょう。また、渡航前に医師や旅行医療専門家のアドバイスを受け、必要なワクチンや薬物の情報を確認することも大切です。安全で健康な旅行をお楽しみください!